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日本でもヨガを実践することが一般的になってきた今、ヨガのエクササイズ的な要素以外である、心や思考に作用する“ヨガの教え”に興味を持つ方も増えています。

この連載では、ヨガの教え=ヨガ哲学を体系的に学べる『ヨーガスートラ』を、ヨガインストラクター養成校の講師・インストラクターたちが解説していきます。

私たちのあるべき姿 ~日常的に行わない方が良いこと~

前回【連載】第21回やさしく学ぶヨーガスートラ:ヨガの8ステップ(八支則)で本当の自分を知るでお伝えしたヨガの8ステップ(八支則)の中で、ステップ(1)=ヤマ、ステップ(2)=ニヤマは、日常生活においての「私たちのあるべき姿」を示してくれています。

今回は、ステップ(1)=ヤマ(日常的に行わない方が良いこと)について読み解いていきましょう。

第2章30節

アヒンサー・サッティヤ・アステーヤ・ブランマチャルヤ・アパリグラハー ヤマーハ

(1)傷つけず(2)嘘をつかず(3)盗まず(4)規律正しい生活をして(5)不要な物を抱え込まない、この5つがヤマ(気をつけるべきこと)です。

ヨーガ・スートラ(やさしく学ぶYOGA哲学ヨーガ・スートラ参照)

ヤマ(日常的に行わない方が良いこと)

(1)アヒンサー(非暴力)
行動・言葉・心において、自分を含めたすべての生き物、環境を傷つけないようにすること。

(2)サティア(正直)
嘘をつかないこと。ありのままを見つめ、受け入れる姿勢。

(3)アステーヤ(不盗)
金品に限らず、相手の時間、アイデア、権利、チャンスも含め、盗まないこと。

(4)ブラフマチャリア(禁欲)
自分のエネルギーを必要なものに使うこと。異性に対して不誠実な対応をしないこと。

(5)アパリグラハ(不貪)
貪らないこと。必要以上に欲しがらないこと。

なるほど!そういうことか、と感じる方もいれば、ちょっと難しいなぁとか、と感じる方もいるかもしれません。

実はこの5つは日常生活で私たちが無意識にやってしまう、良くない習慣に気づかせてくれる1つの指針なのです。

では、具体的に見ていきましょう。

日常生活で無意識にやってしまいがちなことに、気づくこと

(1)アヒンサー(非暴力/暴力的なことをさける)

暴力が良くないこと、人に対して暴力や暴言を吐くのは良くないことだと分かっている方は多いと思います。

では、自分自身に対してはどうでしょうか?

・寝る前にいつまでもスマホを見て夜更かしをする
・急激なダイエットをする
・無理に難易度の高いヨガのポーズを取る
・自分を卑下するようなことを言う

自分以外の人には優しくできるのに、無意識に自分自身を雑に扱ったり、必要以上に自分に厳しくしている人もいるかもしれません。

ヨガの教えは人に対してだけでなく、自分自身の生き方、自分の扱い方についても学ぶことができます。

では、この機会に自分へのアヒンサー(非暴力)も意識してみましょう。自分の痛みに気づくことは、人の痛みに気づけることに繋がります。

アヒンサーは、ヨガの教えの基礎となっており、アヒンサーの考えに反しない範囲で行うように考えられています。

次のサティア(正直)も同様です。

(2)サティア(正直/嘘をつかない、ありのままを見る)

「嘘をついてはいけない」とよく言われます。それはなぜか。

まず、嘘をつくことで人は心が揺れます。ヨガは心の揺れをおさめるためのものですから、心が揺れると分かっている・知っているものは、行わない方がよいのです。

また、嘘をつくことは、相手を傷つけることにも繋がるかもしれません。

これはアヒンサー(非暴力)にも反します。

もちろん、何でもかんでも正直に伝えるということではありません。相手を傷つけるようなことは、あえて言わないことも大切です。

そして、ありのままを見つめ、受け入れること。

例えば、仕事において、求められたことに対して、なかなか成果が上がらない時、その分野において自分の実力不足を受け入れることは、勇気がいるものです。

でもその事実をありのまま見つめ、受け入れることで、自己成長にも繋がり、また別の道がみえてくるようになります。

その分野しかないと決めつけ、自分の心とカラダを痛めるような働き方は、アヒンサー(非暴力)にも反します。自分をありのまま見つめた時に違う道ややり方もあると気づくことができるのです。

また、ヨガのポーズにおいても同じですね。

バランスポーズでグラグラしている自分に気づき、無理にポーズを取り続けるより、軽減法(ポーズをやさしくする方法)をとった方が良いこともあります。

そうすれば、自分を傷つけることなく、自分の快適な姿勢に気づくことができます。

(3)アステーヤ(不盗/盗まない)

盗んではいけない。

私たちが小さな頃から言われていることですが、金品以外に、日常生活で無意識に盗んでいることがあるかもしれません。

例えば、待ち合わせに5分遅刻する(相手の時間を盗む)
新人にチャレンジさせず、自分で仕事をやってしまう(相手の成長のチャンスを盗む)

これらも意識していないと日常生活でやってしまいがちな行いです。
そしてそれは、相手を傷つけることに繋がるかもしれません。

(4)ブラフマチャリア(禁欲/自分のエネルギーを無駄遣いしない)

私たちのエネルギーは限られています。24時間365日動き続けることはできません。
その限られたエネルギーを自分にとって、本当に必要なものに注げていますか?

例えば、大事な試験の前日なのに、突然部屋の掃除を始める。
誰しも一度は経験がありそうです。

誰もが無意識にやってしまいがちなことに流されず、自分にとって必要なことを見極めるには、日々の習慣を意識的にすることが必要になります。

(5)アパリグラハ(不貪/むさぼらない)

「自分のクローゼットにどんな服が、どれくらいあるのか、具体的に答えて下さい。」

もしこう聞かれたら、どう答えますか?

相当のミニマリストでないと、答えられない難しい質問かもしれません。
でも、答えられないということは、それらの服たちは本当に必要なものなのでしょうか?

どうしても必要のものは、もちろん持っていて構いません。
でも、手に入れることで満足してしまい、使っていないものはありませんか?

必要なものを、必要なだけ持つことは、自分に余裕(スペース)を持つためにも大切です。
年末年始に向けて、物以外も含めて自分の持ちものを見直してみても良いかもしれませんね。

大切なのは、気づき、諦めず、続けること

ヤマ(日常的に行わない方が良いこと)の5つの項目を見てきました。

最初に感じた印象と変わった方もいるかもしれませんね。

実はこの全てを完璧に守ることは、かなり難しいと言われます。だからこそ、守ることを目的にするのではなく、気づくための目安にしてみてください。

まずは、日常生活を意識的に生きることで、自分の行いを意識的に気づくことが大切です。

寝る前に1分間、自分の1日の行いを振り返ってみましょう。この時間を瞑想するのも良いでしょう。

静かな場所に座って、そっと目を閉じて、自分の呼吸に意識を向けて振り返る。
自分に集中する瞑想です。

ポイントは、「○○ができてないとか、守れていない!」と減点したり、過小評価する振り返りでなく、「朝目が覚めた」「会社に行けた」、「○○さんと笑顔で挨拶ができた」など、できたことを加点方式で振り返るようにしましょう。

過小評価もアヒンサー(非暴力)に反してしまいますからね。

できたことをたくさんあつめて受け入れましょう。

もし今日、やりたくてもやれなかったことがあったら、明日チャレンジしたら良いのです。

そのように余裕をもった気持ちで明日以降の行いをどうするか心に決めると、希望を持って明日を迎えることができます。

慣れてきたら、何か行いをする前に考え、気づき、実行すること。

そうすれば、日々の行いが変わり、習慣が変わります。
習慣は人をつくり、人生をつくります。

そうすれば、なりたい自分に近づき、私たちの人生はより美しく輝きます。

【連載】ヨガの八支則ってなあに?(1)日々の暮らしに取り入れたい「ヤマ」の教え

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