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日本でもヨガを実践することが一般的になってきた今、ヨガのエクササイズ的な要素以外である、心や思考に作用する“ヨガの教え”に興味を持つ方も増えています。

この連載では、ヨガの教え=ヨガ哲学を体系的に学べる『ヨーガスートラ』を、ヨガインストラクター養成校の講師・インストラクターたちが解説していきます。

なぜ苦悩は生まれるのでしょうか?

【連載】やさしく学ぶヨーガスートラの第13~16回では、苦悩の正体と言われる5つの種類について学んできました。

苦悩の種類や、苦悩と感じる原因となる感情が分かっても「どうしてこんな失敗しちゃったの!」とか「今日は本当についてない事ばかり!」という日はありますよね。

生きていたら、やっぱり悲しくなったりイライラしたりすることや、思い悩むこともあります。

今回は、人生にはなぜ苦悩が生まれるのか?そんな疑問に答えてくれる一節を読み解いていきましょう。

第2章12節
クレーシャ・ムーラハ カルマーシャヤハ ドルシュタ・アドルシュタ・ジャンマ ヴェーダニーヤハ
5つの苦悩の原因は、過去の行いの結果です。カルマの結果は、今か次の人生で経験されるべきものです。

ヨーガ・スートラ(やさしく学ぶYOGA哲学ヨーガ・スートラ参照)

全ての出来事は必然

『現在起きていることは、過去の行いの結果であり、未来に起こることは、過去と現在の行いの結果である。』と、ヨーガスートラに記されています。

幸せな経験も、悲しい出来事も、それが起こるには必ず原因があると言います。

これは「カルマ(=行い)の法則」と言われていて、何かを行うと必ず結果が生まれるという自然の摂理の一つです。

そして、「カルマ=行い」とは「行動」の他に「想い」や「考え」「言葉」も含まれます。

もし、今、あなたが何か苦痛を抱えている状況であれば、ヨガの哲学で考えると、過去にした行いの結果としての現れだと考えます。

つまり、人生に起こる困難や苦悩も、実は必ず原因となる「カルマ」があると言う訳です。

また、ヨーガ・スートラでは、生まれ変わり、人生を繰り返しながら成長し続けていると考えられ、「過去」とは、今の人生だけでなく、今回生まれるより前の幾つもの人生を含めた時間をさしています。

なぜか分からないけど無性に惹かれることや、初めての場所なのに懐かしい感じがする、など。なぜだか分からないけど…と言う経験は皆さんにもあるのではないでしょうか?

それは少なからず、過去世の経験が今の人生に影響しているからなのです。

同じようにカルマの法則も過去の人生から引き継いでいる部分もあると言います。

「どうして!?」と身に覚えがないことも含めて、人生に起こる全てのことに「たまたま」はなく、必ず「過去の行い」と言う、それ相応の原因を持つと記されています。

何か嫌なことがあった時、誰かのせいにしたくなりますか?
実は全ては自分の行いの結果だとしたらどうでしょうか?

でも、安心してください!カルマの法則は罰を与えられているのではありません。

私たちは人生を繰り返しながら、学び成長しています。カルマの結果を経験して幸せに生きるための気づきを得たら、その「カルマ」はお役目終了。

きちんと消化されるのですよ。

あなたはどんな行いを選択しますか?

私たちは過去と現在の行いによって未来の人生を創造しています。

人のため、世のためになる徳の高い行いをすると、心地よく幸せな経験を生み出します。自分や人を傷つける行いをしたら、苦悩や不運を経験することになります。

幸せも苦悩も自分が作り出していると知ったら、あなたは今この瞬間どんな選択をしますか?どんな言葉や考えを心の中に満たしたいですか?

自分も周りの人たちも幸せにつながる選択ができると、結果を待たずとも、その瞬間から心が満たされそうですよね。

徳の高い行いというのは特別なことばかりではありません。

日常的なことに少し丁寧に心を込めて行うことから始めるのが良いのではないでしょうか。例えば、食事の際に食材や調理してくださった方に感謝を込めて「いただきます」と言ってから、丁寧に味わって食べること。

ヨガマットやプロップスを丁寧に扱うことや、相手の目を見て挨拶する。

など、毎日何気なくしている、当たり前のことを丁寧に行うことが大切です。

当たり前のことに感謝や思いやりを持ってみると、その小さなステップがまた一歩、また一歩と進んでいき、気づいたら大きな前進につながっていくのではないかと思います。

丁寧に食事を味わっていると、もしかしたら買い物をする時、地球に優しい食材や製品を選びたくなるかもしれません。

物を丁寧に扱っていると、周りの方々へも優しい言葉をかけたくなるかもしれません。
目を見て挨拶していると、相手の変化に気づき心に寄り添ってあげられるようになるかもしれません。

「徳を積むために」と言う思いではなく、ただ「ありがとう」という感謝の気持ちを込めて、当たり前のことを行う。それが自分自身も周りの方や環境にも、優しさで包むような徳の高い行いにつながると思います。

今の自分にできることからで十分です。自分や周りのみんなが幸せになる「カルマ」をたくさん選択して幸せな未来を一緒に創造しましょう。

幸せの花を咲かせる

最後に、未来は創造できても、まだ現れていないカルマの結果は、どんな苦悩も受け止めないといけないのでは…と言う疑問が浮かぶかもしれませんね。

安心してください。

過去の行いはタネの状態で結果の順番待ちをしているのは確かです。

でも、瞑想やヨガの練習をし、健やかな生活習慣を続けることで苦悩のタネを摘み取ることができると記されています。

タネのまま摘み取れば、苦悩は生まれないと言うことなのです。

さらに、もし苦悩につながる感情が湧き起こったら、すかさずポジティブ変換しましょう。それとは真逆の発想をすることで苦悩の成長を抑えることができると言います。

朝起きた時、夜寝る前など、もしかしたらお手洗いの中だけでも!少し自分と向き合う時間を作ってみてください。

そして、穏やかな気持ちを心に広げるイメージを持ちながら深呼吸をしてみましょう。

心の中を整理する時間を持ちます。今起きていること、未来に起こるであろう全てのことに「ありがとう」と伝えてみてください。不思議とネガティブな気持ちが薄れていくものですよ。

もし、一人では難しいと感じるようだったら一緒にヨガの時間と向き合えるヨガスクールでお待ちしております。
心のデトックスをして苦悩は芽が出る前に摘み取り、幸せな花を咲かせましょう。

【連載】やさしく学ぶヨーガスートラ第16回 「苦悩の正体-その5-アビニヴェーシャ:生命欲とは?」

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