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日本でもヨガを実践することが一般的になってきた今、ヨガのエクササイズ的な要素以外である、心や思考に作用する“ヨガの教え”に興味を持つ方も増えています。

この連載では、ヨガの教え=ヨガ哲学を体系的に学べる『ヨーガスートラ』を、ヨガインストラクター養成校の講師・インストラクターたちが解説していきます。

私たちが生まれた時から持っているもの

第2章9節
ソヴァラサヴァーヒー ヴィドゥシャハ アビ タター アールーダハ アヴィニヴェーシャハ
生物が本来的に持ち、賢者でさえ同じように持っている根深い恐れ、それがアヴィニヴェーシャ(失うこと、死への恐怖)です。

ヨーガ・スートラ(やさしく学ぶYOGA哲学ヨーガ・スートラ参照)

苦悩の正体の最後は「アビニヴェーシャ」。生命への執着です。

ヨガ哲学では生まれ変わり、輪廻転生があると考えられています。

そして命あるものは、亡くなった後、生前の行為つまりカルマの結果で、次の多様な生となって生まれ変わるとされています。

時折、メディアでは前世についてや、前世のことを覚えている人の特集をしていたりしますが、信じがたいのも事実です。

実際に、前世のことを覚えている人は少ないですし、自分が何かの生まれ変わりなんて不思議な感じがするかもしれません。

しかし私たちは今まで何度も生死を繰り返し、様々な経験をする中で潜在的な記憶(サンスカーラ)をもち、今も私たちに生命を失うことへの恐れをもたらしているというのです。

受け継がれる記憶

草木や花、動物たち、すべての命あるものたちは、この生命欲とともにずっと歩んできました。

人間の赤ちゃんは、生まれた瞬間に大きな声で産声を上げて泣きます。
今までいた母親のお腹の中とは異なる世界にビックリし泣き叫ぶのです。

では、なぜビックリして泣き叫ぶのでしょう?

答えは「命を守るため」です。

生まれたばかりの人間の赤ちゃんは身体感覚以外の危険なもの・こと・場所を知りません。

口に入れてはいけないものを口に運び、好奇心のままに色々なものに触れて感覚をつかみ、成長する過程で少しずつ危険なものと、そうではない安全なものを区別することができるようになります。

成長していく過程で、自分の命の危険に対して「怖い」という感覚が芽生え、命を守れるようになっていくのです。

これはカラダの感覚以外の命を守るための知識は経験を通して得られるということを示しています。

反対に知識は経験からしか得られないにも関わらず生まれた時から「命を守るため」、カラダの感覚はもって生まれてくるのです!

では動物はどうでしょう。草食動物は肉食動物に襲われる可能性があるため、生まれてから1〜2時間という短時間で自ら立ち、走ることができます。

それは生きるために遺伝子に刻まれた「本能」とも言えます。

「本能」とは何度も生まれ変わり、自己に刻まれた古い記憶であるとヨガ哲学では教えています。

今を慈しみ、心地の良いチョイスをする

私たちは何度も生まれ変わり、生まれた時にそなわっている本能は、すべてかつての経験で、それが「失うこと、死への恐怖」の原因であるとヨガ哲学では教えています。

私たちはヒト、モノ、立場や能力とあらゆるものに対して失うことに恐れを抱きやすいです。

【連載】やさしく学ぶヨーガスートラ第14回 「苦悩の正体-その2-アスミター:自意識とは?で解説している通り、『本当の自分』は常に変わることなく、満ち足りていて、幸福で、無限の存在だとヨーガスートラには記されています。

本質的には失うことなど何もなく、自由で無限の存在なのだと知っていたら何かを失うことに対しても、心がやわらいでくるかもしれません。

そして生前の行い(カルマ)の結果で、次の多様な生となって生まれ変わるのであれば、できるだけ今の自分にとって良いチョイスをしてみましょう。

苦悩に振り回されていることに気づいたら、深呼吸しながら自分と会話する時間をつくり、その苦悩をよく観察して理解する。

自然にゆだね、自分を慈しみ、愛する時間を持つ。

私たちは、その時間を持つことで、いつでも自分自身を心地よい状態に導くことができるのだと、気づくことができるでしょう。そしてその気づきのチャンスはたくさん与えられているのです。

ヨガもそのひとつの方法です。ヨガのクラスの最後にシャヴァーサナ(やすらぎのポーズ)があるのは、私たちがすべてを受け入れ自由で無限の存在なのだということを思い出す練習とされています。

ヨガに触れたくなったらいつでもクラスにお越しくださいね。

【ポーズ解説】しかばねのポーズ(シャバ―サナ)

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