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日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす

皆さま、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。ではさっそく、皆さんにお伝えさせていただきます。

霜降(そうこう):10月23日~11月7日頃
  • 季節
  • カラダ肺・大腸

「二十四節気」と「六気」

太陰暦が月の満ちかけの周期に基づく暦であることに対し、地球と太陽との位置関係に基づく暦が太陽暦です。二十四節気は、この太陽暦を基にして、一年を春夏秋冬の四季と風熱暑湿燥寒の六気を区分する方法の一つです。

二十四節気には、二至(冬至・夏至)二分(春分・秋分)と四立(立春・立夏・立秋・立冬)、いわゆる八節があり、それにより一年は春夏秋冬の四季に区分けられます。

また、地球が太陽の周りを公転することにより、温度と湿度と気圧が変化します。この変化を「風・熱・暑・湿・燥・寒」という六つの気で表します。

風は初之気、熱は二之気、暑は三之気、湿は四之気、燥は五之気、寒は終之気と表記されます。

春は、東南の風が強く、万物が中から外に出てのびのびと生長していく時の気候は「風」の性質が強いのです。二十四節気のうちの、大寒・立春・雨水・啓蟄は、この初之気「風」に当たります。

その後、天気がだんだんと暖かくなり、気候の特徴が「熱」となり万物の成長が早い、春分・清明・穀雨・立夏は、この二之気「熱」に当たります。

温度が上がると、水が蒸発し、空気の湿度が上がります。蒸し蒸しとした天気には「暑」の性質が突出します。小満・芒種・夏至・小暑は、この三之気「暑」に当たります。

天気がさらに暑くなり、大量の水蒸気が台風となり、大雨が降りつづく、四之気「湿」は、大暑・立秋・処暑・白露の時に当たります。

秋になると、日照時間がだんだんと短くなり、気温が下がり、水蒸気が激減、気候の特徴は「涼燥」に変わります。秋分・寒露・霜降・立冬はこの五之気「燥」に当たります。

最後に、日照時間がもっとも短くなる冬は、終之気「寒」に当たる、小雪・大雪・冬至・小寒です。

「霜降」は補う時期

先に述べたように、霜降は五之気「燥」の3番目の節気で、冬に入り最後の節気(立冬の前)でもあります。一年の中で、気温の変化が一番激しい時期は、日中の温度差が一番大きい時でもあります。

自然界においては、太陽エネルギーがどんどん弱くなっていくので、冷え込みが強くなり、冬の気配が露になります。植物は枯れていき、動物たちは冬眠の準備で肥えていきます。

人間の場合は、以下を心がけて養生するとよいでしょう。

・激しい運動をしないこと

秋は、自然の気が「金」の気(上から下へ下がる働き)、収の気が支配する季節のため、心臓やカラダに負荷をかけ、心拍数を激しく上げる運動は、天の気に逆らう動きとなるので、極力避けるべきでしょう。

我々を取り囲む環境の中で、一番影響を受ける力は自然の働きです。それに逆らうことは、カラダを壊すどころか、自分の運気を悪くすることとなります。激しい運動の代わりに、緩やかな有酸素運動がお勧めです。

・汗のかきすぎは禁物

この時期の気候の特徴は「燥」であるため、だらだらととめどなく大量の汗をかくことは、カラダの潤いの元となる津液を激減させる恐れがあるので、この季節には控えるようお勧めします。汗をかくなら、微汗(じっくり汗がでる、ぽたぽたする程度)がちょうどよいでしょう。そして、「燥」の気からカラダを守るため、梨や柿などを食べ、津液を増やします。また、鴨肉は、カラダの陰を補う季節の食べ物として有名です。

・睡眠時間をしっかり取る

気温が下がるにつれ、陽のエネルギーがだんだん弱くなっていく一方で、燥の気が強くなり、カラダの津液「陰」を消耗しやすいこの時期には、陰と陽の両方を養うため、早寝遅起をお勧めします。なぜなら、寝ている時に、造血機能が一番盛んに働くといわれているからです。新鮮な血液が増えると、カラダの陰液が増えるだけではなく、赤血球による酸素を運ぶ力も高くなり、エネルギー代謝もあがりますので、陽も補われます。逆に夜更かしはカラダの陰と陽の両方を損なうので、避けるべきです。

鴨肉、梨、柿などの食養生の目的は「滋陰(じいん、陰を補う)」、早寝遅起の目的は「補気(ほき、陰陽の両方を補う)」です。

肺と大腸の不調の多発期と未病予防の「葱姜湯」

五行の中の「金」の気は、季節の秋、気候の燥、天気の涼と同じカテゴリになります。
これに対応する体の臓腑は、肺と大腸です。

先天的に「金」の気が弱い体質の場合、この時期に、喘息、咳、アレルギー、アトピー、下痢、便秘、腹痛など肺と大腸の不調が多発します。

黄帝内経素問 「六元正紀大論」の薬や食養生の原則によると、金の気を調和するためには、辛温のものを使うとあります。

東洋医学では食べ物の気味を五つの味に分類し、それぞれに五行の属性をもつと考えています。

酸っぱいものは肝を、苦いものは心を、甘いものは脾を、辛いものは肺を、塩辛いものは腎といったように、五行の属性(木・火・土・金・水)に、それぞれ五味が対応します。

金の気と辛い味は同じカテゴリに属するので、辛い味は行き過ぎる金の気を調和する働きがあります。

また、金の気は「涼」という特性を持っています。

「涼」という性質をもつ金の気が行き過ぎると、カラダが冷えやすくなり、下痢などの症状が出やすくなるので、温かい性質をもつ食材は、それらの症状を調和するために、役立ちます。

われわれの身近にある食材の中に「辛」の性質をもつ食材はたくさんありますが、その中でも、金の気を調和する一番のお勧めはニンニクと白ネギです。

この二者には「白い」と「辛い」という二つの共通点があります。

東洋医学では、木は蒼・火は赤・土は黄・金は白・水は黒といったように、色についても五行の属性をもつと考えています。

白色と辛味は金の気と同じカテゴリに属し、体の臓腑にある肺と大腸も金の気と同じカテゴリですので、肺と大腸の気の病(病気)を予防するには、「白」くて「辛い」ニンニクと白ネギが有効。

また、両者ともにカラダを温める性質を持ちます。

ここで、「辛温」という食養生の原則に基づき、簡単なレシピを一つ紹介します。

それは、「葱姜湯」です。

材料:
・白ネギ 斜め薄切り4切れ
・ニンニク 薄切り少々(苦手な場合は省略可)
・生姜 薄切り5枚(可能であれば、乾姜がベスト)
・青じそ 2枚

味付け:塩 or お好みで

上記材料でスープを作って、毎日飲む。

特に、今年に入ってから咳や下痢の症状がよく出る人には、お勧めします。

数日お試しいただき、調子よく感じる方は、続けてみてくださいね。

次回は、二十四節気のひとつ、立冬(りっとう)についてお話いたします。

どうぞお楽しみに。

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